古木の欅の下で・・・

2015.03.17 Tuesday

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     自宅に近い散歩道に、一本の大きな欅の古木が立っている。
    昼下がり、もう百寿にでもなりそうなジイさんが、
    その古木の下で、コンビニ弁当のようなものを、

    黙々と、たっぷり時間をかけて食ッとった。
    実に言葉にならんほど、不思議な絵のような風景だった。
     若き頃の己は、貪るようにガツガツとメシをたいらげ、
    「ゲヒンだからゆっくり食べろ」と、よくオンナにシカラレタもんだ。
    それが今では否応なく、このジイさんのように、
    メシを食うのにジョオヒンで時間がかかる。

     ジイさんは、一口入れてはモグモグ・モグモグ・・・。
    まるで残された人生の余韻を噛みしめてでもいるかのように、
    落ち窪んだ小さな目で、一心に弁当を睨みながらモグモグ・モグモグ・・・。
     己は、ふとゴヤの『黒い絵』の中の、「食事をする二老人」を頭に浮かべた。
    読書と食事をしている、不気味な髑髏のような老人二人・・・。
     己は、ジイさんの傍らに座って、チト世間話の一つもしようかと思ったが、
    あまりにあの絵とそっくりになりそうなのでヤメタ。
     

     
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